建売住宅とは異なり、自分たちで一からプランを考える注文住宅は、実際住み始めるまでに多くのステップを踏む必要があります。
人によって検討し始めてから入居するまでの期間は異なりますが、基本的には1年から1年半ほどかかると考えておくといいでしょう。
しかしプランニングに時間がかかったり、途中でトラブルが起こったりする可能性もゼロではなく、予定していた以上に時間がかかるケースも少なくありません。
そこで本記事では、よりスムーズに注文住宅を購入するために知っておきたい流れや、何にどれくらいの時間がかかるのか、といったことについて詳しく紹介します。
注文住宅購入の流れ
一見、注文住宅を建てるのは手間や時間がかかるイメージがありますが、全体的な流れを知っておくことで入居までスムーズに進めることができます。
次に何をするのか、どれくらいの時間を要するのか、などをしっかりと理解しておきましょう。
モデルハウスを見学する
いざ注文住宅を建てたいと思っても、情報がないところからいきなりプランニングを始めるのは難しいことです。
そこで、住宅にはどんな造りや設備があるのか、どのハウスメーカーがいいのかなどを知るために、まずはモデルハウスを見学することから始めましょう。
すでにいくつかハウスメーカーが絞れている場合は、それぞれの住宅展示場へ行くことで情報を得られますが「何から始めればいいのか分からない!」という方には、多くのハウスメーカーのモデルハウスが展示されている総合住宅展示場がおすすめです。
また、住宅展示場に行く前に自分なりに各社の情報を集めておくと、当日はスムーズに見学できます。
最低限知りたいこと、必ず聞いておきたいことなどを自分の中でまとめておくと、資料を持ち帰った後で整理、比較しやすいでしょう。
予算を検討する
注文住宅を建てる上で、最も気になる点の1つが予算の問題でしょう。
注文住宅を建てる場合「いくらかかるのか」ではなく「いくらかけられるのか」と考えて予算を組んでいくのが基本です。
最終的な合計金額だけでなく、その内「現金として用意できる金額」と「住宅ローンで借りられる金額」をしっかりと考えておく必要があります。
注文住宅を建てる際にはほとんどの人が住宅ローンを利用しますが、購入費用の全額を住宅ローンでまかなえるわけではありません。
そもそもある程度の預金がないと住宅ローンの審査に通ることすら難しくなるので、マイホームの購入を考え始めた時点から、それに向けての準備も必要だということです。
初めての方は「住宅ローン」と言われてもイメージしにくいと思うので、インターネットなどにあるシミュレーションツールを活用して具体的な借入額や返済額について考えてみましょう。
モデルハウスを見学する
モデルハウスの見学や住宅ローンのシミュレーションを一通り終えた後は、注文住宅の購入を検討し始めた頃に比べると、だいぶ住宅に関して具体的なイメージがしやすくなっているはずです。
どんな場所でどんな家に住みたいか、間取りや外観デザイン、内装などについても希望を書き出しておくと、この後ハウスメーカーとやり取りを始める際にも段取りよく進めていくことができるでしょう。
また、この辺りでしっかり家族会議を行なっておくのも重要なポイントです。
それぞれ好みやこだわりが異なるのは当たり前ですが、それを考えずに話を進めてしまい、契約の段階になって家族間でトラブルが起こるというケースも少なくありません。
家族全員が満足できるマイホームを手に入れるためにも、それぞれの意見を出し合いましょう。
この段階になると各社の資料も手元に集まっていると思うので、その中から好みの間取りを選んだり、ある程度イメージを作っておいたりするとハウスメーカーも徐々に絞れて来るはずです。
会社を選ぶ
注文住宅を建てる前段階として具体的なイメージが出来上がったら、次はいよいよ依頼するハウスメーカーや工務店などの会社選びです。
土地が決まっていない場合は土地選びを先に考える人もいますが、ハウスメーカーによっては一緒に土地探しをしてくれるケースもあります。
また、エリア選びに強いこだわりがない場合、建築期間などに条件が付いた「建築条件付き土地」を紹介してもらって最終的な費用を抑えることができたという人も少なくありません。
そういったことからも、まずは会社選びを優先することをおすすめします。
会社選びの際は、会社自体のコンセプトや提案力、機能性などがポイントになりますが、長く付き合う担当者との相性も非常に重要です。
それらを総合して、自分たちの希望を叶えてくれそうな会社を見極めましょう。
土地を探す
立地や環境などを考えて自身で土地を探したい、という方は不動産会社やインターネットの住宅情報サイトで探すことができます。
ハウスメーカーに土地探しを手伝ってもらう場合も、自身でエリアの治安や土地の相場などについて下調べを行っておくと安心です。
ここで注意しなければならないのが、インターネット上の情報は常に最新というわけではない、ということです。
当然、土地が売りに出されてから掲載されるまでタイムラグがありますし、条件の良い土地は掲載されるまでに売却されてしまう可能性もあるのです。
そういったチャンスを逃さないためにも、希望エリアがある場合やインターネット上で気になる土地が見つかった場合は、とにかく不動産会社に足を運ぶことです。
そうすればより詳細を知ることができる上、もっと条件の良い掘り出し物を紹介してもらえる可能性があります。
またその日に気に入った土地がなかったとしても、こちらの希望を伝えておくことで、条件に合った土地が売りに出された時に連絡をもらうことできるので活用しましょう。
住宅ローンを検討し審査を受ける
住宅ローンを利用すると言っても、誰もが簡単に借りられるものではなく、どの金融機関でも事前審査があります。
それぞれの借入先によって審査基準が異なりますが、それ以前に借入期間や金利などにも細かい違いがあるので、しっかりと比較することが大切です。
長期にわたって返済を行う住宅ローンですから、毎月いくら返済できるのか、定年退職後はどうするのか、など具体的に考えなければなりません。
こちらもインターネットで支払いシミュレーションができるので、ライフイベントと合わせて考えましょう。
一般的に、具体的なイメージ作りから会社や土地選び、住宅ローンの審査までで4ヶ月ほどかかると言われています。
場合によっては家族の意見がまとまらなかったり、なかなか土地が決まらなかったりして長引く可能性もありますが、目安として考えておくといいでしょう。
間取りや設備について相談する
ここからは、ハウスメーカーや工務店などとの具体的な話し合いを、数回にわたって行っていきます。
次の段階で大まかな見積もりを作成してもらうことになるため、これまでにまとめておいた条件や希望する間取りなどを、細かい部分まで具体的に伝えることがポイントです。
ここでのイメージ像が曖昧になってしまうと見積もりに組み込まれず、プランを決定する段階になって多額の追加料金が発生する可能性があります。
予算の面と合わせて、しっかりと会社側に理解してもらいましょう。
見積もりを作成してもらう
相談後は見積もりが作成されますが、これはあくまでも概算なので、そのまま最終的な費用になるわけではありません。
内容は会社によって異なり、中には諸経費などがほとんど含まれていないケースもあるため、見積書を提示されたら、まずは費用総額よりも何が含まれていて、追加でどれくらいの費用がかかるのかを確認するのが先決です。
また、保証やメンテナンスなどアフターフォローについても確認しておく必要があります。
どんな小さな疑問も残さないように、細かい部分までチェックしましょう。
間取りを相談してから見積もりが作成されるまで、大体2ヶ月ほどが目安となります。
プラン決定・工事請負契約
何度か打ち合わせを重ね、プランが決まり最終的な見積書に合意すれば、工事請負契約を行います。
契約締結に変更があると、新たに変更契約や再申請が必要となり、余計な費用と時間がかかってしまうので要注意です。
契約内容と相違がないか、希望した設備が含まれているかなど抜けがないよう確認しましょう。
また、この段階で建築費の10%ほどの契約金が必要になるのが一般的です。
住宅ローンに含むことはできないので、現金で用意しましょう。
住宅ローンを申請する
各市町村に建築申請を行い審査に通ったら、今度は住宅ローンの本申請をします。
ハウスメーカーによっては代理で申し込んでくれる場合もあるので、なかなか時間が取れない場合などは一度相談してみるといいでしょう。
住宅ローンの本審査の結果が分かるまで少し時間がかかることもあり、プラン決定から実際に工事が始まるまでは3~4ヶ月かかると思っておきましょう。
新築工事の着工
いよいよ建設工事が始まりますが、その前に近隣への挨拶をしておくと安心です。
また、着工の前に地鎮祭や上棟式を行うケースもありますが、これらは希望者のみ行うものなので、家族で話し合うといいでしょう。
着工から引き渡しまでは4~6ヶ月かかるのが一般的ですが、工事期間中であっても現場に足を運んで進捗状況を確認できます。
職人さんとコミュニケーションを取りながら作業を見守れるのも、注文住宅ならではの特徴です。
住宅確認・引き渡し
工事完了後は、担当者と一緒に住宅の確認をします。
プランと相違はないか、水道やガスが使用できるかなど1つひとつチェックし、何かあればその場で伝えるようにしましょう。
特に問題がなければ、そのまま引き渡しとなり作業は完了です。
土地購入から家を建てるまでの期間(余裕をもった計画を)
注文住宅を購入する際、どんな住宅であっても基本的な流れは同じですが、住宅の構造によって工期に少し違いが出ます。
余裕を持った計画が立てられるように、その違いを簡単に知っておきましょう。
木造の場合
現在、注文住宅の半分以上が木造で建てられています。
土地を購入してから住宅の設計や契約に3~4ヶ月、そこから工事が始まり5~6ヶ月で完成するのが一般的です。
そもそも木造の住宅には「在来軸組み工法」「ツーバイフォー工法」「SE工法」という3種類の工法があり、この中からどれを選ぶかによっても若干工期に差が出ます。
在来軸組み工法とSE工法はどちらも5~6ヶ月ですが、ツーバイフォー工法の場合は平均4~5ヶ月で工事が終了します。
何らかの理由でできるだけ早く完成させたい、という場合はツーバイフォー工法を検討するのも1つでしょう。
鉄骨造の場合
鉄骨造は、大きく分けて「軽量鉄骨造」と「重量鉄骨造」の2種類がありますが、どちらも工期に違いはありません。
土地を購入してから設計や契約までにかかる期間は上記と同じですが、全く同じ規模の住宅を建てる場合は、木造に比べると工事が1~2ヶ月ほど短くなる傾向があります。
ただし、場合によっては工場で建築部品を揃えるための準備時間が長くなったり、基礎工事に時間がかかったりするケースもあるので「完成が早いから」という理由だけで鉄骨造を選ぶのはおすすめしません。
それぞれのメリット・デメリットを確認した上で、注文住宅を建てる構造を選びましょう。
住宅の土地探しについて
今回の記事では注文住宅の購入の慣れについてご紹介しました。
家の購入を考えている方はまずは全体のスケジュールや決めておくべきことしっかり情報収集しましょう。
また家を購入する際に事前に知っておきたい土地探しの方法についても知っておくといいでしょう。
下の記事では注文住宅を建てる際の土地探しの方法について詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。
注文住宅を建てる際の土地探しの方法は?購入の流れや土地の見極め方
流れを理解しておけばトラブルも回避できる
いかがでしたでしょうか。
この記事を読んでいただくことで、注文住宅を購入する際の流れや、検討から実際に入居するまでの期間についてご理解いただけたと思います。
東京組では、住宅だけでなく最も時間のかかる土地の購入から一貫してサポートさせていただきます。
東京で注文住宅をお考えの方は、ぜひお気軽に東京組までご相談ください。